あぜっ地理(交通・通信)

 

1 交通・通信の発達    2 鉄道交通    3 自動車交通    4 船舶交通

5 航空交通    6 パイプライン・送電線    7 情報と通信    目次へ

 

4 船舶交通

(1)特色

  ①大量輸送

  ②安い輸送コスト

  ③低速→輸送時間がかかる

  ⇒重たく容積の大きい貨物輸送に利用される。

(2)船舶の専用化・大型化

  ①タンカー…揚げ荷役は、船のパイプと基地のパイプを接続して行う。

  ②LNG船

    積み地→天然ガスを液化するLNG液化基地

    揚げ地→LNGを天然ガスに戻すLNG受入基地

  ③バルクキャリア(ばら積み貨物船)

    …鉱石、石炭、穀物等を梱包せずにそのまま貨物室に積載して運搬する。

  ④自動車輸送船…自走して荷役、効率輸送を実現する駐車場のような船

  ⑤コンテナ船…ドアツードア輸送

  ⑥クルーズ船…「浮かぶ豪華ホテル、リゾート」

  <参考>「暮らしと産業をささえるいろいろな船」(商船三井

      「客船のご紹介 外国船・日本船・豪華客船」(JTB

(3)世界の主要航路

  ①スエズ運河経由…大西洋・地中海と紅海・インド洋を結ぶ

    スエズ運河 1859年 フランス人レセップスによって建設開始

          1869年 完成(フランス・エジプトによる運営)

          1882年 イギリスによる軍事占領

          1956年 エジプトが国有化→スエズ戦争(第2次中東戦争)

          2015年 スエズ運河拡張(新スエズ運河)完成

    <参考>「スエズ運河改修プロジェクト」(五洋建設

        「スエズ運河(港湾用語の基礎知識)」(日本港湾協会

        「スエズ運河通過」(YouTube)

  ②パナマ運河経由…太平洋とカリブ海・大西洋を結ぶ

    パナマ運河→パナマ地峡を開削した閘門式運河

          1881年 フランス人レセップスが建設に着手→失敗

          1914年 完成(1903年にアメリカは運河地帯の支配権を獲得)

          1999年 パナマに返還(アメリカの支配権放棄)

    <参考>「パナマ~運河とともに発展を続ける国」(外務省

        「パナマ運河の構造(YouTube)」(海技教育機構

        「パナマ運河を通過する船の一部始終(YouTube)」(rokudenashi_trip)

  ③北極海航路…地球温暖化で海氷が減少し、北極圏の航路の開発が容易になっている。

    a北西航路…アラスカ、カナダ沿岸を通る。

    b北方航路…ロシア沿岸を通る。→欧州・太平洋間の最短航路

      ⇒中国、韓国をはじめとするアジア諸国が新航路開拓などの取り組みを推進している。

       日本は出遅れている。

  <参考>「我が国のエネルギー調達の取組」(国土交通省

      「Marine Traffic」(世界のあらゆる船舶の動きを追跡できる)

(4)国際海峡…国際航行に使用される海峡

    →海峡利用国の通過通航の出張と、自国の利害上通航に何らかの規制を求める海峡沿岸国との対立

  ①世界のおもな国際海峡

    ジブラルタル海峡(大西洋―地中海) ドーヴァー海峡(イギリス・フランス間)

    ボスポラス海峡(黒海ーマルマラ海) ダーダネルス海峡(マルマラ海ーエーゲ海)

    ホルムズ海峡(ペルシャ湾ーオマーン湾・インド洋)

    マラッカ海峡(マレー半島・スマトラ島間) ロンボク海峡(バリ島・ロンボク島間)

  ②日本の国際海峡

    宗谷海峡 津軽海峡 対馬海峡東水道(狭義での対馬海峡) 対馬海峡西水道(朝鮮海峡) 大隅海峡

  <参考>「特定海域」(海上保安庁

(5)世界の海運国

  ①商船船腹量…パナマ、リベリア、マーシャル諸島などの小国に多い。

          →船舶にかかる登録税などが安い

          →先進国の海運会社が経費節減のために便宜的に船籍を置く。

          ⇒便宜置籍船

  ②世界の港湾コンテナ取扱量…上位10カ国のうち、アジアが7カ国を占める。

(6)世界の主要港  Excelファイル

    2000年…アジアNIEsと欧米の港湾が、コンテナ取扱量のベスト10を構成していた。

    2017年…コンテナ取扱量ベスト10すべてが、アジアの港湾(中国が6港湾)になった。

        ※ドバイ(アラブ首長国)に注意。

(7)内陸水運

  ①発達の自然条件…地形が平坦で、流量が安定している。

   ② 国際河川
 数か国の領域を貫流し、または国境となっている河川で、条約によってすべての国に航行の自由が認められている。1921年に「国際的利害関係ある可航水路に関する条約」 (バルセロナ条約) が締結された。

   ※おもな国際河川…ライン川、ドナウ川、ユーフラテス川、メコン川、ラプラタ川など

  ③ヨーロッパ…ライン川、ドナウ川、ローヌ川、エルベ川などが約5万kmの運河網で結ばれている。

    ライン川ー(ローヌ=ライン運河)ーローヌ川

    ライン川―マイン川ー(マイン=ドナウ川)-ドナウ川

    ライン川ー(ミッテルラント運河)-エルベ川 など

  ④北アメリカ(五大湖周辺)…五大湖と大西洋を運河で結ぶ

    スペリオル湖ー(スーセントメリー運河)-ヒューロン湖ーエリー湖ー

      -(ウェランド運河)-オンタリオ湖ー(セントローレンス海路)-セントローレンス川ー大西洋

      ー(ニューヨークステートバージ―運河)-ハドソン川ー大西洋

    <参考>「Great Lakes Sailing - Welland Canal HD time-lapse」(YouTube)

  ⑤アマゾン川流域

    マナオス…外航船の入る自由港(河口から約1700km)

    イキトス(ペルー)…河口から約3700kmの上流の都市で、大型船も航行可能。

  ⑥中国

    長江…スーチョワン盆地まで水運可能。

    大運河…北京から浙江省まで中国東部を縦断する。

        紀元前5世紀から各地でつくられてきた小運河を、7世紀の隋代に連結した。

    <参考>「大運河」(世界の歴史まっぷ

  ⑦コンゴ川…コンゴ盆地内で重要な航路。

     河口(大西洋)ーマタディーリヴィングストン滝ーキンシャサー(水運)-キサンガニー

      ーボヨマ(スタンリー)滝ーウブンドゥ

     マタディーキンシャサ⇒鉄道  キサンガニーウブンドゥ⇒鉄道

 <参考>「欧米の河川舟運産業の実態及び需要に関する調査」(日本船舶技術研究協会

 

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