あぜっ地理(工業の種類と立地) |
1.工業の種類と発達 2.工業の立地 3.産業の集積と分散 目次へ (ア)工業の種類 ①業種別 軽工業…食料品、繊維、窯業、印刷・出版、木材、紙パルプ→中小企業の生産が多い 金属工業…鉄鋼、非鉄金属、金属製品 機械工業…一般、電気、輸送用、精密の各機械 化学工業…石油化学(化学肥料、化学繊維)、石炭化学 先端技術産業…新素材、エレクトロニクス、バイオテクノロジー ②用途別 生産財工業→素材工業…鉄鋼、非鉄金属、工作機械、石油化学 組立工業…機械(電気機械、自動車など) 消費財工業…日用雑貨、服飾品、電気機械、食料品、繊維など (イ)工業の発達 手工業→工場制手工業(マニュファクチュア)→産業革命→工場制機械工業 軽工業(繊維工業)→重工業(鉄鋼業)→石油化学工業 →技術革新(イノベーション)→先端技術産業(ハイテク産業) (ア)アルフレッド・ウェーバーの工業立地論(ドイツ1909年) →「生産費が最小になる場所」に工場を建てるべきだ 菊田,太郎 著 『經濟論叢』 (1931), 33(1): 111-123 京都帝國大學經濟學會 ・ 「ウェーバーの立地論の理論的展開と 国際的適用について 」 鈴木洋太郎 著 『経営研究64巻2号』 (2013) (イ)工業立地 ①原料指向型…原料の産地に工業が立地、製品に比べて重い原料(重量減損原料) →鉄鋼業、セメント工業、金属工業、木材工業、紙パルプ工業、陶磁器工業 ②市場指向型…大都市、消費地に立地 →清涼飲料水、ビール、印刷、出版、化粧品 ③労働力指向型 安価な労働力が必要な工業→繊維工業、プラスチック加工業 、縫製品(アパレル)工業 熟練した労働力が必要な工業→精密機械、レンズ加工、宝石 ④臨海指向型 輸入原料に依存→鉄鋼業、石油化学工業、アルミナ工業(ボーキサイト→アルミナ) 海洋資源の利用→缶詰工業、乾物、瓶詰め 沿岸で製造→造船業 ⑤臨空港指向型…航空機利用の輸送、価格に対し輸送費が安価(小さくて高価値) →IT産業、宝石、高級時計 ⑥電力指向型…大量の電気エネルギーが必要 →化学肥料工業、アルミ精錬工業 ⑦用水指向型…大量の用水を必要とする →製紙工業、パルプ工業、化学繊維工業、染色工業 ⑧集積指向型…関連する工場が集まる(輸送費の節約、部品の調達の速さ) →自動車工業(組立工場と部品工場) (ウ)日本の工場分布 ①セメント工場(2019年) 『セメントハンドブック2020』(セメント協会)より作成 →原料指向型 ②自動車組立工場(2020年) 「日本の自動車産業」(日本自動車工業会)より作成 ③石油化学(2020年)→臨海指向型 「石油化学コンビナート所在地およびエチレンプラント生産能力」(石油化学工業会)より作成 ④ビール工場(2018年)→市場指向型 各社事業所一覧より作成 キリンビール工場一覧 アサヒビール工場一覧 サッポロビール工場一覧 ⑤半導体工場(2019年) 『日本国勢図会』『県勢』を参考 →臨空港指向型(高速道路沿いにも立地) ⑥高炉一貫製鉄所(2020年) 『日本国勢図会』『県勢』を参考 →臨海指向型(現在) (ア)技術・施設の共同利用、情報交換の利便性→関連工業の集積→工業地域の成立 (イ)複合工業地域の形成(コンビナート、コンプレックスなど) (ウ)過密・過集積・労働費の高騰 (エ)工場の移転・海外展開(広い工場・安価な労働力) 日本→中国、東南アジア ドイツ、フランス、イギリス→東ヨーロッパ (オ)貿易摩擦による現地生産 日本→アメリカ→メキシコ (カ)国内産業の空洞化…出荷額の低下、雇用の減少
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