あぜっ地理(気候要素~気温・降水・風~)

 

気候とは  気候要素と気候因子  気温の分布  気温の較差    降水  <目次へ>

1.気候とは

 (イ)天気…ある特定の時刻における大気の総合的状態→weather

 (ロ)天候…「4月上旬」「春」など、数日から数カ月程度の大気の総合的状態→weather

 (ハ)気象…大気の物理的現象「大気の状態が不安定」→1字の英単語ない

 (ニ)気候…1年を周期として最も高い確率で出現する大気の総合的状態→climate

      ※通常は30年以上の観測値を平均した気候要素で表現される

  【解説】「雲をつかむような話

2.気候要素と気候因子

 (イ)気候要素…気候を構成するさまざまな大気現象 観測によって得られる大気の性質・状態を示したもの

       →気温降水量(3大要素)、日照時間、湿度、気圧、蒸発量など

 (ロ)気候因子…気候要素に影響をあたえるもの

       →緯度、高度、隔海度(海に近いか内陸にあるか)、海陸の分布

3.気温の分布

 (イ)気温の水平分布…等温線は緯線にほぼ水平に分布→原則

 (ロ)大陸の東岸と西岸…等温線は大陸の西岸で高く、東岸で低い

   ①大陸の東岸…夏は暑く、冬は寒い→季節風の影響

   ②大陸の西岸…夏涼しく、冬暖かい→暖流と偏西風の影響

  【図説】大陸の東岸と西岸

 (ニ)気温の垂直分布…気温は高度が上がるにつれて低下する

     →気温の逓減率…100m高度が上がるにつれて気温は約0.55℃低下する

 【参考】「世界の天候図表」(気象庁

4.気温の較差

 (イ)年較差…1年間の最暖月平均気温と最寒月平均気温の差

   ①高緯度>低緯度 ②内陸>海岸

    

  緯度 最暖月平均気温 最寒月平均気温 年較差
シンガポール 1°22′N 28.4℃ 26.6℃ 1.8℃
ロンドン 51°28′N 18.7℃ 5.7℃ 13.0℃
チ  タ 52°05′N 18.7℃ -25.2℃ 43.9℃

 (ロ)日較差…1日の最高気温と最低気温の差

   ①晴天>曇天  ②内陸>海岸  ③砂漠>森林

 (ハ)内陸と海岸

   ①内陸…気温の年較差・日較差が大きい、乾燥→大陸性気候

   ②海洋…気温の年較差・日較差が小さい、湿潤→海洋性気候

5.風

 (イ)恒常風(惑星風)…一年中一定方向に吹く風

   ①貿易風…亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)から赤道低圧帯に向かって吹く東よりの風

        北半球→北東風   南半球→南東風

   ②偏西風…亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)から亜寒帯低圧帯に向かって吹く西よりの風

        北半球→南西風   南半球→北西風

   ③極東風…極高圧帯から亜寒帯低圧帯に向かって吹く東よりの寒冷な風

        北半球→北東風   南半球→南東風

  【図説】「大気の循環と降水」

  【参考】「風のこと」雲をつかむような話

 (ロ)季節風(モンスーン)…季節により風向きが逆になる風→大陸と海洋で気圧の差

   ①夏…海洋から大陸に吹く→高温・湿潤、降水が多い

   ②冬…大陸から海洋に吹く→寒冷、乾燥

 (ハ)熱帯低気圧にともなう風…激しい暴風雨をもたらす→発生する地域によって名称がちがう

   ①台風…北西太平洋で発生

   ②ハリケーン…北西大西洋、カリブ海、北東太平洋で発生

   ③サイクロン…ベンガル湾およびアラビア海、南半球 →オーストラリアでは「ウィリーウィリー」と呼ぶ

  【図説】「世界の熱帯低気圧」

 (ニ)局地風(地方風)…地形の影響や気圧・気温の違いによって、ごく狭い範囲に吹く風

   ①海風と陸風(海岸地方)…日中→海風、夜間→陸風     ※凪…海風と陸風の交代時の無風状態

   ②谷風と山風(山地)…日中→谷風(山の斜面に沿って上昇)

                 夜間→山風(山頂付近から谷へ向かって吹き下ろす)

   ③フェーン…アルプス山脈越えの高温で乾燥した風→高温乾燥風の世界共通の呼び方

  【解説】「フェーン現象」新潟地方気象台

   ④日本の地方風…やませ、六甲おろし、赤城おろし

      ※日本三大局地風…清川だし(山形県)、やまじ風(愛媛県)、広戸風(岡山県)

   ⑤地中海沿岸の地方風…ボラ、ミストラル、シロッコ、フェーン

  【図説】「地中海の局地風(地方風)」

6.降水

 (イ)降水量の分布

   ①赤道低圧帯でもっとも多く、高緯度ほど少なくなる。

    ※ 空気が上昇するところ(低圧部)→雨が降りやすい

    ※ 空気が下降するところ(高圧部)→雨が降りにくい

    ※ 亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)は、極端に少ない。→砂漠が分布

   ②海岸部で多く、内陸部で少ない。

  【図説】「大気の循環と降水」

 (ロ)降水の種類

   ①対流性降雨…上昇気流がもたらす降雨→スコール、夕立

   ②地形性降雨…湿った空気が山地の斜面を上昇するときに降る雨

         →山地の反対側は乾燥(フェーン現象)

   ③前線性降雨…暖かい空気と冷たい空気の接触によって起こる降雨→温暖前線、寒冷前線

   ④低気圧性(収束性)降雨…熱帯低気圧・温帯低気圧にともなう雨

 (ハ)世界の多雨地域

   ①インド・チェラプンジ(アッサム地方)…26,461mm(1860年08月~1861年07月)

   ②ハワイ・カウアイ島…年降水量12,400mmを記録→ワジャレアレ山(Waialeale)

   ③カメルーン…年降水量10,680mmを記録→カメルーン山(4,070m)の南西斜面

 

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