あぜっ地理(民族・言語・宗教)

 

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1 人種と民族

(1)人種

  身体的特徴による区分で、科学的なものではなく、植民地支配や差別に利用されてきた。

  伝統的な人種分類

   →モンゴロイド(黄色人種)、ネグロイド(黒色人種)、コーカソイド(白色人種)

(2)民族

  文化的特徴によって分類したもので、言語、宗教、生活様式などの同じ文化を共有する人々の集団。

2 言語

(1)民族と言語

  言語は、民族を分類するときに、最も重要な指標となる。

(2)語族

  言語学的にみて、一つの源となる言語から分化したと想定される言語群。

  「語派」…語族から分岐してできた言語を祖語とする言語の集合。

  「諸語」…類似しているが、同一祖語と証明されていない言語集団。

 ①インド・ヨーロッパ語族

  a ゲルマン語派…英語、ドイツ語、オランダ語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語

          アイスランド語など

  b ラテン語派…フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語など

  c スラブ語派…ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語、ポーランド語、ブルガリア語

         チェコ語、スロバキア語、セルビア語、クロアチア語など

  d インド・イラン語派…ペルシャ語、ウルドゥー語、ヒンディー語、ベンガル語

  e その他…ケルト語派(アイルランド語)、ギリシャ語派(ギリシャ語)

       バルト語派(ラトビア語、リトアニア語)など

 ②アフリカ・アラブ語族…アラビア語、ヘブライ語

 ③ウラル語族…フィンランド語、エストニア語、ハンガリー語(マジャール語)など

 ④オーストロネシア語族…マレー語、フィリピノ語、インドネシア語、マダガスカル語など

 ⑤オーストロアジア語族…ベトナム語、クメール語など

 ⑥ドラヴィダ語族…タミル語など

 ⑦コイサン語族…コイサン語

 ⑧シナ・チベット諸語…中国語、チベット語、ミャンマー語、タイ語など

 ⑨アルタイ諸語

  a チュルク語派…トルコ語、カザフ語、ウズベク語、トルクメン語、ウイグル語など

  b モンゴル語派…モンゴル語など

 ⑩カフカス諸語…ジョージア語、チェチェン語など

 ⑪ニジェール・コルドファン諸語…バンツー諸語、ヨルバ語など

 ⑫ナイル・サハラ諸語…マサイ語、トゥルカナ語など

 ⑬オーストラリア諸語…アボリジニーの言語

 ⑭その他…日本語、韓国語・朝鮮語、バスク語など

(3)公用語  ※『データブック オブ・ザ・ワールド2024』を参考

 ①多民族国家は、複数の公用語を採用している国家が多い。

 (例)シンガポール…中国系74% マレー系13% インド系9%

            →中国語 英語 マレー語 タミル語

    スリランカ…シンハラ人(仏教)82% タミル人(ヒンドゥー教)9%

          →シンハラ語 タミル語

    スイス…ドイツ人65% フランス人18% イタリア人10% ロマンシュ人1%

        →ドイツ語 フランス語 イタリア語 ロマンシュ語

    ベルギー…オランダ系フラマン人(プロテスタント)58% フランス系ワロン人(カトリック)32%

         →オランダ語(フラマン語) フランス語(ワロン語) ドイツ語

    カナダ……カナダ人32 イングランド人20 フランス人15

         →英語 フランス語

 ②多民族国家で、公用語が1つの国家

 (例)マレーシア…ブミプトラ(マレー系と先住民)62% 中国系23% インド系7%

          →マレー語(マレー系民族を優遇する「ブミプトラ政策」)

    ナイジェリア…ヨルバ人18% ハウサ人17% イボ人13% フラ人11%

           →英語(500以上の言語が話されているため、植民地時代の英語を採用)

    スペイン…スペイン人(カスティーリャ人)45% カタルーニャ人28% ガリシア人8%

         →スペイン語(カスティーリャ語)

(4)世界の主な言語人口  Excelファイル

  

3 宗教

   「世界のおもな宗教分布」(探検しよう!みんなの地球

(1)世界宗教…民族の枠を超えて、多くの人々に進行されている宗教

  ①キリスト教…発祥地・西アジア(エルサレム) 聖典「聖書」

   a カトリック(旧教)…ラテン民族→西ヨーロッパ、ラテンアメリカ

      「サン・ピエトロ大聖堂の徹底ガイド」(ユアトリップ

   b プロテスタント(新教)…ゲルマン系民族→北ヨーロッパ、アングロアメリカ

                         オーストラリア、ニュージーランド

      「カンタベリー大聖堂」(世界遺産オンラインガイド

   c 東方正教(正教会)…スラブ系民族→東ヨーロッパ、ロシア

      「血の上の救世主教会(ハリストス復活大聖堂)」」(世界遺産オンラインガイド

   d その他…エチオピア正教会(エチオピア)、コプト正教会(エジプト)

  ②イスラム教…発祥地・西アジア(アラビア半島) 聖典「クルアーン(コーラン)」

          →北アフリカ、中央アジア、南アジア、東南アジアに拡大

   a スンナ派…アラブ諸国の大半で信仰

   b シーア派…イラン、イラク、アゼルバイジャン

   c 六信五行(六つの信条,実行すべき五つの義務)

     六信…アッラー(唯一絶対の神)・天使(神の使い)・啓典(クルアーン:神の声の記録)

        預言者(神の言葉を伝える人)・来世(復活や死後の生命)・ 天命(神が定めた運命)

     五行…信仰の告白(神を信じることを声に出す)

        礼拝(1日5回、メッカのカアバ神殿の方角に向かってお祈りをする)

        喜捨(富める者は貧しい者に与える)

        断食(イスラム暦9月の1ヶ月間日中の飲食を断つ)

        巡礼(メッカ巡礼)

     「イスラム教について」(ハラル・ジャパン協会

     「スルタン・アフメト・ジャミィ(ブルー・モスク)~イスタンブルの歴史地区~

                             (世界遺産オンラインガイド

  ③仏教…発祥地・南アジア(インド)

   a 大乗仏教…東アジア、ベトナム

     「上海随一の古刹・龍華寺をお参りしよう)」(たびこふれ

   b 上座仏教…スリランカ、インドシナ半島

     「シュエダゴン・パゴダ」(知れば!アジアが楽しくなる”コミュニティサイト

   c チベット仏教…チベット、モンゴル

     「ポタラ宮(ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群)」(世界遺産オンラインガイド

(2)民族宗教…特定の民族によって信仰されている宗教

   a ヒンドゥー教…インド人の民族宗教で、特定の教祖、経典を持たない。→カースト制度

    「「ヒンドゥー教」関連の世界遺産一覧・地図」(世界遺産オンラインガイド

   b ユダヤ教…ユダヤ人の民族宗教

   c その他…神道(日本)、アニミズム(精霊崇拝)

(3)世界のおもな宗教人口  Excelファイル

    

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