あぜっ地理(都市システムと都市の拡大) |
1 都市システム (1)一極集中型…首都などの大都市へ行政や企業の中枢管理機能が集中 →プライメートシティ(首位都市)の形成 ①先進国の例…ロンドン、パリなど ②経済新興国、発展途上国の例…ソウル、メキシコシティ、ウランバートル、サンティアゴなど →経済効率を上げるために内外の投資が集中する
『データブック オブ・ザ・ワールド2021』より作成 Excelファイル (2)多極分散型…中枢管理機能が多くの都市に分散 ①地方分権型の連邦国家…ドイツ ②国土面積が広い国…アメリカ、中国
『データブック オブ・ザ・ワールド2021』より作成 Excelファイル (3)世界の大都市 Excelファイル
人口800万人以上の都市は、重要。都市システムの型がよくわかる。 市域人口(City proper)と都市域人口(Urban agglomeration)に注意。 都市域人口…周辺の衛星都市などを含む 800万人以上の大都市のほとんどは発展途上国で、先進国にはほとんど見られない。 →東京(900万人)、ロンドン(880万人)、ニューヨーク(850万人) 「データブック オブ・ザ・ワールド」や「世界国勢図会」の都市人口のデータは、「Demographic Yearbook」を参考にしているが、中国などすべての国の都市人口のデータがない。 (3)日本の都市システム ①3大都市圏…国家的な中心都市→東京特別区、大阪、名古屋 東京・大阪・名古屋の50キロ圏の人口は、日本の人口の約47%を占める(2018年)。 ②広域中心都市(地方中枢都市)…地方の中心として中枢的管理機能をもつ 北海道→札幌 東北地方→仙台 中国・四国地方→広島 九州・沖縄地方→福岡 ③準広域中心都市…狭い範囲の地方の中心都市 新潟…東日本の日本海側 金沢…北陸地方 高松…四国地方 那覇…西南諸島 ④政令指定都市…人口50万以上の市のうちから政令で指定 →行財政上の特例が設けられ、行政区の設置が義務づけられている。
⑤中核都市…人口20万以上の市の申出に基づき政令で指定(2021年4月現在、62市) 参考「中核市・施行時特例市(総務省)」 ⑥県庁所在地が人口最大でない県 福島県…郡山(31.9万人) いわき(31.8万人) 福島(27.5万人) 群馬県…高崎(36.7万人) 前橋(32.8万人) 静岡県…浜松(77.6万人) 静岡(68.7万人) 三重県…四日市(30.1万人) 津(26.8万人) 山口県…下関(25.6万人) 山口(18.9万人) 2 都市の拡大 (1)メトロポリス(metropolis)…巨大都市 (2)コナーベーション(conurbation)…連接都市 都市の拡大によって行政区画と無関係に都市化が進行し、市街地が連続する。 兵庫県神戸市東灘区~芦屋市~西宮市~尼崎市 (3)メガロポリス(megalopolis)…巨帯都市 フランスの地理学者ジャン・ゴットマンの提唱した概念。 大都市圏が連続し、互いに独立しつつ、社会的・経済的に交流し、高度な都市システムを形成する。 アメリカンメガロポリス…アメリカ東海岸(ボストン~ワシントンD.C.) 東海道メガロポリス…東京~名古屋~大阪 ブルーバナナ…ロンドン~ルール~ミュンヘン~北イタリア (4)都市の内部構造…教科書、資料集、受験参考書には必ず載っているので、それらを参照すること。 ①同心円構造モデル 都市社会学者アーネスト・バージェスによって1925年に提示されたモデル。 都市は、都心から同心円状に機能分化が進み拡大する。 C.B.D.(中心業務地区)→漸移地区(卸売・軽工業地区、住宅地区) →低級住宅地区→中級住宅地区→高級住宅地区 ②扇形構造モデル(sector model)…土地経済学者ホーマー・ホイトが1939年に提唱。 都心から鉄道や道路、運河などの交通路に沿って、都市が拡大する。 ③多核心構造モデル(multiple nuclei model) チョーンシー・ハリス(Chauncy Harris)とエドワード・ウルマン(Edward Ullman)が1945年に提唱。 都市は、複数の核心(都心、副都心)を中心に形成される。 「Sector and Nuclei Urban Land Use Representations」(The Geography of Transport Systems )
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