あぜっ地理(村落の立地と機能)

 

目次へ

1 村落と都市   2 村落の立地   3 日本の村落の発展   4 村落の形態

1 村落と都市

(1)集落…地域社会とその住居などの集まり→村落と都市に分けられる

(2)村落…農業、漁業など第1次産業を中心とする集落

(3)都市…相対的に人口が多く、人口密度が高く、第1次産業人口がひじょうに少なく、匿名性が高い集落空間

     都(みやこ)…政治、文化、経済などの中心地

     市(いち)…ものを交換・売買する場所

2 村落の立地

(1)自然的条件

  ①水の乏しい地域

   a 砂漠…オアシス(湧水地)、外来河川、内陸河川

   b 扇状地…扇端

   c 洪積台地(段丘)…宙水、侵食谷(谷底平野の縁辺部)、下位段丘面

   d 火山地域…山麓の湧水帯

   e カルスト台地…谷底平野

  ②低湿地

   a 沖積平野(氾濫原・三角州)…自然堤防

      ※輪中集落(水屋)…濃尾平野西部(木曽川、長良川、揖斐川合流地域)

     【参考】「水から土地を守る、輪中大地への刻印)」

            (水土の礎|一般社団法人農業農村整備情報総合センター

         「岐阜県輪之内町〜輪中が息づく平らな町〜」(輪之内観光委員会)

         「輪中の暮らしから生まれた 水防災意識(水の話No.177)」(フジクリーン工業

   b 海岸平野…浜堤上

      ※納屋集落…九十九里平野→千葉県山武市松ヶ谷(地理院地図)

  ③山地…日当たりの良い南斜面(北半球)→日向集落

  ④熱帯…高原集落(常春の気候)

(2)社会的条件

  ①交通

   a 山麓(谷口)…山地と平野の結節点→谷口集落

   b 川岸、湖岸、海岸、渡津…水上交通と道路交通の結節点

      →落合集落(河川の合流点)、渡津(渡頭)集落(渡し場)

  ②防備…高地、丘上、台地の先端

     ※後背地の広さ⇒都市への成長

3 日本の村落の発展

(1)古代

  ①条里集落…班田収受法にもとづく日本最古の計画的村落

    (特徴)直行する街路(碁盤目状の区画)、方形の集落・溜め池(654m四方)

        人工的な流路をもつ河川(直行・90度ターン)

        1集落(50戸)に1つの神社

     (例)奈良盆地→奈良県天理市喜殿町(地理院地図)

        丹波地方(柏原付近)、湖東平野、讃岐平野など

(2)中世…班田収受の崩壊→723三世一身の法、743墾田永年私財法

     →荘園集落の成立…貴族、寺社、地方豪族の私有地の拡大

    <地名>別所、京田、給田、荒屋、新荘、領家、地頭方、治(ハリ)

  ①名田百姓村…名主、有力者が地主となって成立

    <地名>五郎丸、太郎丸、次郎丸、貞利、福富

  ②寺百姓村…寺社領が起源の集落

    <地名>神戸(カンベ)

  ③豪族屋敷村…豪族屋敷を中心に一族郎党・農民集まって成立、外的防御のため、陵・台地・の末端などの要害地に立地、周囲を濠・堀・土塀などに取り囲まれている(環濠集落)

    <地名>堀の内、根古屋、寄居、箕輪(関東)

    <地名>館、要害、古館(東北)

    <地名>土居、山下(サンゲ)(中四国)

    <地名>館、栫(かこい)、構(かまえ)(九州)などの地名

  ④隠田集落…隔絶した山間僻地に、落ち武者や租税逃れ、逃亡者などが隠れ住む

      →世間と隔絶していたため古い習俗が残っている(稗・粟・蕎麦などの焼畑栽培)

    <地名>五木、椎葉、米良荘、五家荘、祖谷地方、十津川、白峰、檜枝岐、三面

        白川郷、五箇山(合掌作り:世界遺産)→岐阜県白川村大字荻町(地理院地図)

(3)近世

  ①新田集落…政治の安定⇒人口の増加⇒耕地の拡大(新田の開発)

       →洪積台地、低湿地、浅い海の開拓、干拓

   a 官営新田…三富新田(川越藩)、開拓路村

   b 民営新田…鴻池新田、泉尾新田(大阪平野、大阪湾)(有明海)

  ②麓集落…薩摩・島津藩 島津藩は、外城と称して藩内約100ケ所に武士を集中的に住まわせ、武家である郷士の集落を作った。小さな城の役目を果たし、その集落は麓(ふもと)と呼ばれ、現在も県内各地にこの地名が残っている。

     ※出水市・高屋敷地区は、1995年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定

  【参考】「薩摩の武士が生きた町~武家屋敷群「麓」を歩く~」(文化庁・日本遺産ポータルサイト

(4)近代

  ①屯田兵村…北海道の警備・開拓・士族授産(失業した士族(武士)に仕事を与える)

     (特徴)直交する街路(碁盤目状の街路)…合衆国のタウンシップ制度の導入

        「兵」のつく地名

         集村⇒兵の実力向上⇒散村

    【地形図】北海道旭川市東旭川町上兵村(地理院地図)

   ※タウンシップ…アメリカ合衆国で、土地の開発のため6マイル四方の街路を建設しそれを36区分し、1セクションとする。この1セクションを4等分し、800m四方の土地を希望者に与え開発にあたらせる.必然的に家屋が散在することになる。散村。

  ②開拓村(明治以降)…高冷地、台地、低湿地→牧ノ原、児島湾、八郎潟

    ※「八郎潟の干拓」→大規模農業の実践

     【参考】「世紀の大事業「八郎潟干拓」」(美の国あきたネット)

4 村落の形態

(1)集村…民家が密集して村落を形成

  ①成立の要因

   a 水の制約・地形の制約…湧水地、自然堤防上

   b 共同作業・共同防衛

   c 計画的(藩・政権の政策)

  ②塊村…湧水などを中心に不規則な形にかたまった集落→条里集落、環濠集落

    【参考】「環濠集落・今井町でタイムスリップを味わう」京阪奈ぶらり歴史散歩

    【地形図】奈良県橿原市今井町(地理院地図)

  ③列村…民家が列状に並んだ集落

     →自然堤防、浜堤上、扇端、山麓の湧水線  ※道路は後からつくられた場合が多い

    【地形図】新潟県新潟市北区長戸呂(地理院地図)

  ④路村…道路に沿って民家が線状に並んだ集落→開拓路村、林地村(東ヨーロッパ)

    【地形図】埼玉県三芳町大字上富(地理院地図)

  ⑤街村…街道に沿て民家が密集した集落→市場町、宿場町

    【地形図】長野県南木曽町吾妻(地理院地図)

  ⑥円村(環村)(広場村)…広場や教会を囲んで民家が環状に並んだ集落

     →ドイツ、ポーランド(エルベ川以東・スラブ民族)に発達

      夜間、集落の中の広場に家畜を集めることができる

      広場はバザールの会場になったり、広場の一部に教会が建てられたりする。

(2)散村…広い地域に民家が点々と散在している村落

  ①成立の要因

   a 水の制約が無い、どこでも水が得られる。

   b 共同作業・共同防御の必要性が小さい…治安の安定

   c 共同謀議をさせない(一揆の防止)

   d 延焼防止(強風地域)

   e 計画的(藩の政策)

  ②代表例  砺波平野、黒部川扇状地、出雲平野、大井川河口、讃岐平野、屯田兵村

       アメリカ(タウンシップ制)、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアの農牧地

   【地形図】富山県砺波市高波(地理院地図)

 

1 村落と都市   2 村落の立地   3 日本の村落の発展   4 村落の形態

目次へ

 

Copyright © AZETA Toyotoshi All Rights Reserved.