あぜっ地理(地図の歴史・世界編) |
1 古代 (1)バビロニアの世界図 →画像(「Early world maps」 from Wikipedia) 紀元前600年頃 現存する世界最古の粘土板の世界図 (2)エラトステネスの世界図 →画像(「Early world maps」 from Wikipedia) エラトステネス(前273~192年)…古代ギリシャ(ヘレニズム時代)の数学・天文・地理学者 ・地球は球体 ・地球の周囲の長さを算出 ・いくつかの水平線と垂直線が描かれている (3)プトレマイオスの世界図(150年) →画像(「Early world maps」 from Wikipedia) ・はじめて投影図法を用いる ・正距円錐図法 ・経緯線を導入 ・角度の表現に度分秒を使うことを考案 ・ほぼ全地球の4分の1を描く→西はカナリア諸島から(経度0度) 東は中国の西安まで(経度180度) ⇒実際は130度の差→1000年後に影響 ・北はスカンジナビアから南はナイルの源流まで 2 中世 (1)TO図 →画像(「Early world maps」 from Wikipedia) キリスト教の世界観を表わすための象徴的なもの→古代ギリシャ、ローマ時代の科学を否定 ・東が上 イスラム教世界…ギリシアの合理的な科学を受け継ぐ ・南が上 ・交易を通じて西アジア、南アジア、インド洋、北アフリカの知識が増え、この部分の地図が正確になってきた 1300年ごろ 十字軍の遠征→イスラム世界と接触→イスラム世界に受け継がれた科学がヨーロッパへ ・航海術、造船術の発達 羅針盤 ・方位盤から放射状に32本の方位線が放出 ・一つの港から他の港へ向かう航路の方角が分かる(舵角) 3 大航海時代 (1)トスカネリの地図 →画像(Wikimedia Commons) トスカネリ…イタリアの医師 天文学者 地理学者 1474年 地球球体説 プトレマイオスの世界図を基礎 リスボンから東周り…リスボン→中国東端=230度(実際は130度) リスボンから西回り…中国東端←リスボン=130度(実際は230度) ⇒コロンブスの西航計画を決定づける (2)マルテルスの世界図 →画像(「Early world maps」 from Wikipedia) 1490年 プトレマイオスの復活 コロンブスが使用 ・プトレマイオスと最も異なるのは→アフリカの形態 ・アメリカ大陸は、まだ存在しない (3)ベハイムの地球儀 →画像「Martin Behaim's 1492 'Erdapfel'」(GREAVES & THOMAS) 1492年 マルチン=ベハイム作成 現存する最古の地球儀 マルコ=ポーロ『東方見聞録』から想像して描かれる プトレマイオスの世界図+東南アジア・東アジア 日本…ジパング 中国の東端…230度(実際は130度) 1492年 コロンブス、「新大陸」発見 (4)ルイシュの世界図 →画像(「Early world maps」 from Wikipedia) 1508年 イタリア ・インド…三角形で表されている ・アジアの北東部の先端…グリーンランドと記されている ・ジパング…エスパニョーラ島と同じとしている ・北米大陸…描かれていない ・南米大陸…「サンタ・クルスの土地あるいは新大陸」 と記され大きく描かれている (5)ミュリティウスの世界図 →画像 1590年 16世紀後半まで北アメリカとアジアが連続する大陸として描かれている (6)メルカトルの世界図 →画像(「Mercator projection」From Wikipedia) 1569年 ・コンパスだけで航海できないか ・遠洋航海の安全を目的 →地図上の任意の方位線が直線(等角航程線) →方位線と経線のなす角→常に正しい舵角を示す ⇒正角円筒図法(メルカトル図法) ・世界図の表題…「航海用に最適の新世界全図」 →アメリカ(新インド)とアジアが同じ大陸を形成していることを否定した (7)オルテリウスの世界図 →画像(「Abraham Ortelius」From Wikipedia) 1570年 地図作成者 地図出版社 世界で最初の近代的な地図帳 (8)ブラウの「新世界全図」 →画像(東京国立博物館・画像検索) 1648年 オランダ最大の地図出版社 オランダ→江戸幕府 東京国立博物館蔵 【参考】 ・特集 世界観の拡大の歴史 -世界観の拡大を世界地図の歴史でながめると-
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