2024年度大学入学共通テスト「地理B」 2024年1月13日実施   TOPへ

 2021年度から大学入学共通テストに変わりました。複数の資料を読み解く問題が多くなり、地理的知識だけでなく読解力が必要となり、問題を解くのに時間を要します。今年は、地理的な知識をしっかりと学習していれば、解ける問題が多く、昨年より易化したのではないでしょうか。

2年生のみなさんは、来年に向けて、教科書や資料集、地図帳で確認してください。

特に、地図帳の「気候」や「世界の大地形」のページは、1分でもいいので、毎日見てほしいと思います。

また、日頃からテレビ、新聞などで、世界の国々の現況に興味をもってください。

とりあえず、問題を解いてみて、ポイント、感想をアップしました。

間違いがありましたら、メールで教えてください。

共通テストの問題と解答は、こちらを参考にしてください。

過去の共通テスト・センター試験「地理B」分析は、こちら

第1問(世界の自然環境・自然災害)

問1 国土の標高別面積割合と土地利用割合

  イギリスとニュージーランドの標高別面積割合と土地利用割合を組み合わせた問題。イギリスは古期造山帯、ニュージーランドは新期造山帯なので、図1で1600~1800、2000~の標高がある「イ」がニュージーランドになる。図2の土地利用割合では、「A」は大きく変わらないが、「B」においてはイギリスはニュージーランドの3分の1であることから、「B」が森林率になる。地図帳の「世界の国別統計」には、「国土に占める森林割合」が載っているので参考にしてください。

問2 永久凍土と氷河・氷床の分布

 永久凍土と氷河・氷床の緯度別分布の読み取り。「3」の「高緯度側ほど降雪量が多くなる」が誤り。高緯度ほど極高圧帯の影響で、降雪量(降水量)は少なくなる。

問3 海岸地形

  「D」はリアス海岸、「E」はフィヨルド、「F」はエスチュアリー、「G」は砂浜海岸の図である。「1」は砂浜海岸、「2」はリアス海岸、「3」はエスチュアリー、「4」はフィヨルドの説明である。この問題で海岸地形を覚えましょう。

問4 日照時間と緯度・気候の関係

  オスロは4都市の中で最も高緯度で、冬(1月)の日照時間が短いので「1」になる。シドニーは、東京と同じ気候の特徴なので「3」になる。ローマは地中海性気候で、夏(7月)乾燥(日照時間が長い)、冬(1月)湿潤(日照時間が短い)なので「2」になる。ムンバイは、夏(7月)多雨で、冬乾燥の気候なので「4」になる。

問5 洪水災害

  カナダは「シ」の時期に洪水災害の発生の割合が大きいので、「シ」は雪解け時の「3~5月」と考えられる。ボリビアは「サ」の時期に洪水災害の発生の割合が大きいので、「サ」は雨季にあたる夏季(12~2月)と考える。残りの「ス」が「9~11月」で、メキシコでは「ス」の時期に洪水災害の発生の割合が大きくなっている。これは、ハリケーンの影響なのだろう。

問6 日本国内の最高気温、最大風速、日降水量

  「タ」は、南西諸島、太平洋岸に多いので台風の影響を受ける「最大風速」になる。「チ」は、九州山地、四国山地、紀伊山地の南側に多いので、台風襲来時に大雨となることから「日降水量」と考えられる。「ツ」は、新潟(フェーン現象)、北関東(内陸)に多いので「最高気温」になる。

第2問(世界と日本の資源と産業の変化)

問1 鉄鉱石の産出量、輸出量、輸入量

  日本と中国がポイント。日本の鉄鉱石の依存率は100%。中国は鉄鉱石の産出量が3位であるが、依存率は82%で、輸出量は少ない。「B」は日本が入っているので、輸入量になる。「A」は中国が入っていないので、輸出量になる。残りの「C」が、生産量。

問2 日本の製鉄所の立地の変化

  製鉄所の立地の変化は、基本的な問題。かつては、並び替えの問題も出題された。「2」が誤りで、国内に埋蔵される原料や燃料が「枯渇」したのではなく、外国からの安価な原料や燃料に転換したからである。

問3 日本における国別石炭輸入量の推移

  日本の石炭の輸入先(2022年)は、オーストラリア(65.4%)、インドネシア(14.1%)、ロシア(6.3%)、カナダ(5.8%)、アメリカ(5.3%)である。「E」がオーストラリア、「F」がインドネシア、「G」がアメリカになる。「ア」は、「輸出量が増加」「火力発電を中心に」からインドネシアになる。インドネシアは、石炭の輸出量(2022年)が1位(2位はオーストラリア)で、火力発電の発電量が総発電量の81%を占めている。

「イ」は、「大規模な露天掘り」「国内市場は小さい」からオーストラリア(人口2500万人)になる。「ウ」は、「確認埋蔵量は世界で最も多い」「国内市場の大きさ(人口3億3千万人)」からアメリカになる。

問4 製造業付加価値額

  「人口1人当たりの製造業付加価値額」の小さい「1」「2」は人口の多い中国と輸出指向型の工業化が近年顕著なベトナムと考える。「GDPに占める製造業の割合」が大きい「2」が「世界の工場」の中国で、「1」がベトナムになる。輸出総額に占める工業製品の輸出額(2022年)は、イギリスが59%、ドイツが83%で、ドイツのほうが製造業付加価値額が大きいと考えられる。「3」がドイツで、「4」がイギリスになる。

問5 日本国内での製造業の変化と地域への影響

  「1」の「豊富な労働力を求めて国内の農村部に工場が移転する」のではなく、「豊富な労働力を求めて海外に工場が移転する」である。日本の繊維産業は、プラザ合意後の円高に対応するために、安価で豊富な労働力を求めて、海外に工場を移転した。

問6 日本における製造業の新しい取り組み

 「関連する施設に新たな価値を見出し、地域の魅力を高める」(P)→「工場夜景」(シ)

 「持続可能なエネルギー利用により、環境に配慮した社会を構築する」(Q)→「バイオマス発電」(ス)

 「特定の大企業に依存する企業城下町から脱却する」(Q)→「自社のコア技術やアイデアを活用したイノベーション」(サ)

  「パナソニックの電池生産を担う町工場が、要素技術で世界を目指す!」MONOist

第3問(都市と生活文化)

問1 都市の景観と変化

 「ア」…「1960年代から1980年代にかけて、地価の上昇などにより人口が現象」→「B」(都心)

 「イ」…「1960年代当時、核家族世帯の転入が増加」→「C」(ニュータウン、郊外)

 「ウ」…「1960年代当時、多数の人々が働いていた」→「A」(工場、臨海地域)

問2 昼夜間人口比率と交通手段

  昼夜間人口比率が最も低い「4」が、東京郊外の調布市。昼夜間人口比率が最も高く、鉄道利用者の割合が最も大きい「1」が、東京都心の中央区。残りの「2」と「3」で、自家用車の割合が大きい「3」が地方都市の秋田市、残りの「2」が福岡市になる。

問3 都市圏の人口推移と産業構造(誤りがあり訂正しました)2024年1月21日

  「キ」は1990年と2015年を比較すると大きく人口増加している都市圏が多くあるので、BRICSになる。「カ」は先進国になり、「カ」の一番右上の3000万人を超える都市圏は、東京(関東大都市圏)3686万人(2010年・『世界国勢図会2023/24』)である。また、発展途上国の都市において、農村部から都市部に流入してきた人々は、単純労働の「小売業・サービス業」に従事することが多い。

問4 プライメートシティ(首位都市)

  「サ」は、人口1位、2位都市に差がないので、オーストラリアになる(シドニー453万人、メルボルン435万人)。「ス」は、人口1位都市に人口が集中しているので、発展途上国のバングラデシュである(ダッカ890万人、チッタゴン259万人)。残りの「シ」がイタリアになる。

問5 スラムの形成

  スラムは、先進国では都市の中心に、発展途上国では都市の周辺に形成される。「4」の「主要な高速道路に沿って放射状に広がっている」は、両都市の図からは読み取れない。

問6 都市の民族構成

  アメリカの太平洋沿岸ではアジア系が、メキシコとの国境付近とフロリダ半島はヒスパニックの割合が、他の地域より大きい。スペイン語(ヒスパニック)の比率が高く、アジア・太平洋系言語の比率が低い「4」がマイアミ。アジア・太平洋系言語の比率が他よりも高い「2」と「3」で、スペイン語(ヒスパニック)の比率が高いほうの「3」がメキシコに近いロサンゼルスになり、「2」がシアトルになる。残りの「1」がミネアポリス。

第4問(環太平洋地域)

問1 海底地形

  「1」は海溝が見られるので、「A」になる。「2」は大陸棚が見られるので、「D」になる。「3」は、変化なく水深3000mが続くので、「C」になる。「4」は、浅い、深いの繰り返しが見られるので、プレートの移動によってかつての島々が並んでる「B」になる。

問2 気候の特徴と民族衣装

  「F」は冬に厳寒の気候なので、トナカイの毛皮や皮を用いた衣服の「イ」になる。「G」は高山気候なので、アルパカの毛を用いた「ア」になる。「H」は熱帯気候なので、木綿を用いた「H」になる。

問3 食文化

  「カ」は、肉と牛乳の供給量が多いので、カナダになる。「キ」と「ク」は似ているが、魚と牛乳の供給量の多いほうの「キ」が日本になる。

問4 観光

  観光は、距離、交通の便、旧宗主国との関係が大きく影響する。アジアの国々と近いグアムは、アジアからの観光客が多いので、「サ」になる。ハワイは、アメリカの州なのでアメリカ本土からの観光客が多く、「シ」になる。オーストラリア、ニュージーランドに近いフィジーは、オセアニアからの観光客が多い「ス」になる。フィジーの旧宗主国はイギリスなので、グアム、ハワイよりヨーロッパからの観光客の比率が高い。

問5 貿易

  多くの貿易相手国の問題が、アメリカの貿易赤字、中国の貿易黒字を理解しておけば、解くことができるが、この問題は、600億ドル異常が同じ太さの線で描かれているために、難解である。中国は、オーストラリアからエネルギー資源や鉱産資源を多額の輸入しているが、オーストラリアは市場が小さいため、貿易赤字である。2019年の図から、「Q」が中国で、「R」がオーストラリアになる。600億ドル以上の線で結ばれている、「P」がアメリカになり、残りの「S」がペルーになる。

問6 日本企業の海外進出

  「3」「4」の選択で迷うところであるが、「3」の「ソフトウェアや人工知能(AI)の開発に関わる企業が含まれる」は「含まれる」なので、間違いではない。「4」の「進出先の工場において部品の生産から完成車の組立てまでを一貫して行っている」は、一つの工場で一貫生産を行っていないので、誤りである。進出先の国においては、日系部品メーカーや現地部品メーカーと連携し、現地で自動車を組み立ている。

第5問(島根県石見地方)

問1 日照時間と平均気温

  1月の平均気温が最も低い「イ」が、内陸に位置する三次市である。「ア」「ウ」のうち、1月の日照時間の長い「ア」が瀬戸内に位置する広島市で、冬の季節風の影響で日照時間が短い「ウ」が浜田市になる。1月の平均気温は、浜田市が一番高くなっているが、暖流の対馬海流と季節風の影響である。

問2 商圏

  「食料品」が最も商圏が狭いので、「カ」である。「娯楽・レジャー」は最も人の移動範囲が広いので、「キ」である。残りの「ク」が「衣料品・見回品」になる。身近にない商品は、遠方まで買いに行く。

問3 メッシュマップとドットマップの読図

  メッシュマップ(人口分布)とドットマップ(コンビニエンスストアとまちづくりセンター)の読図の問題である。コンビニエンスストアは、人口集中地域に出店するので、3km以上の比率が高い「Ⅹ」がコンビニエンスストアである。まちづくりセンターは、各地域の拠点に設置されるので、3km以上の比率が低い「Y」になる。小学校区の面積の大きさと縮尺から、コンビニエンスストア(X)までの距離で、3km以上の比率が高い「シ」が小学校区bになる。

問4 地理院地図の読図

  地理院地図の読図というよりも、写真と説明が合っていないかという問題。「F」の写真は、古くからの街道と街並みの写真なので、「モータリゼーションに対応した大規模な再開発」は誤り。

問5 北前船

  浜田は、北前船の寄港地である。北前船は海の大動脈として物流を支え、大阪と北海道・東北とを春から秋にかけて一年に一往復していた。北海道・東北からは「米・昆布」などが、「大阪」からは「砂糖・塩」(タ)などが運ばれた。「チ」は、海路。

問6 過疎問題の解決

1「交通空白地域における乗合タクシーの運行」→Q「日常生活における利便性の向上」

2「地元で水揚げされる水産物のブランド化」→S「魅力ある地域産品の宣伝」

3「伝統行事の保存・継承に対する支援」→P「地域文化に対する愛着の醸成」

4「廃校を利用したサテライトオフィスの整備」→R「移住者の働く場所の確保」

 

    過去のセンター試験「地理B」分析

    TOPへ