2021年度大学入学共通テスト「地理B」 2021年1月16日実施   TOPへ

 2021年度から大学入学共通テストに変わりました。「地理B」も他の科目と同じように複数の資料を読み解く問題が多くなり、地理的知識だけでなく読解力が必要となり、昨年より難化したと思います。

2年生のみなさんは、来年に向けて、教科書や資料集、地図帳で確認してください。

また、日頃からテレビ、新聞などで、世界の国々の現況に興味をもってください。

第5問は、先週放送(1月9日)の「ブラタモリ」でした。

とりあえず、問題を解いてみて、ポイント、感想をアップしました。

間違いがありましたら、メールで教えてください。

センター試験の問題と解答は、こちらを参考にしてください。

過去のセンター試験「地理B」分析は、こちら

 

第1問(世界の自然環境)

問1 仮想大陸を用いた気候因子の問題

  同じ緯度で「海からの距離」以外の気候因子の影響ができるだけ現れない組み合わせであるから、同じ海抜の組み合わせを選べば良い。

問2 気圧帯と気候

 地点Dは、雨温図から夏季乾燥のCs気候。

 地点Eは、地点Dから真南に約800㎞離れ、最暖月や最多雨月が同じ時期であることから、BS気候が考えられる。

 地点Eのほうが雨季が短いことから、「亜寒帯低圧帯(高緯度低圧帯)」と「短い」の組み合わせとなる。

問3 自然災害

タイの大洪水

  2011年にタイ・チャオプラヤ川沿いのアユタヤで記録的な大洪水が発生し、日系企業が進出している「ハイテク工業団地」が水没し、日本経済に大きな影響を与えた。森林伐採あるいは天然林からゴム林への転換によって森林が本来持っている保水力等が低下したことによる洪水であったと言われている。これは、タイだけでなく、他の東南アジアの国々にもみられる

東アフリカの大干ばつによる飢餓

  2011~12年にラニーニャ現象の影響で東アフリカで大干ばつが起こり、ソマリア、エチオピア、ケニアで1200万人以上の人々の生活が脅かされた。「気候変動」による影響だけでなく、インフラ整備や内戦も大きな要因となっている。

 「災害に対する弱さ」に対応するものなので、

  →a「河川上流域での森林減少による水源涵養機能の喪失」

   c「貯水・給水施設の不足や内戦に伴う農地の荒廃」

 「災害のきっかけ」を考えるヒントは、同じ時期の降水量の比較

  →G「雨季に降水量が少なかった」

問4 変動帯(新期造山帯)

 問題文に新期造山帯も併記してほしかった。

  J(エヴェレスト山)はアルプス・ヒマラヤ造山帯に属し、K(マッキンリー山)とL(アコンカグア山)は環太平洋造山帯に属し、3山とも氷河がみられる。M(コジアスコ山)は古期造山帯で、氷河はみられない。

問5 気温の逓減率と植生

  熱帯に位置する5895mのキリマンジャロ山は、標高が高くなるにつれて、気候が熱帯から寒帯へと変わる。標高3000m以下は植生が見られるが、3500m以上はほとんど植生が見られず、砂漠のような景観が見られる。頂上には氷河がある。ヤ「森林の有無は降水量のみで決まる」は、誤り。

問6 氷河の縮小

 氷河縮小のピーク期の図なので、夏に「氷河の融けた水」が最も多い、hの図になる。

  氷河縮小のピーク期には、「氷河の融けた水」が増加するので、X「発電や農業などに利用できる水の量が一時的に増え」、「洪水の頻度」も増加する。

第2問(産業)

問1 小麦

 「小麦の1ha当たり収量」が最も多いCが、フランス。

 「国土面積に占める耕地割合」が最も小さいBが、ロシア。

 残りのAが、アメリカ。

 ア「自由化が進められ」→ロシア

 イはEUの共通農業政策の説明→フランス

 残りのウが、アメリカ。

問2 水産業

 アジアの国々は、漁業生産量より養殖業生産量の方が多い。→Eが養殖業生産量になる。

  中国→漁業生産量 18.3% 養殖業生産量 81.7%

  インドネシア→漁業生産量 33.0% 養殖業生産量 67.0%

  インド→漁業生産量 43.0% 養殖業生産量 57.0%

   ※統計年次は2018年。『世界国勢図会2020/21』より

 2000年と2017年を比較すると

  漁業生産量は、大きく変化していないが、養殖業生産量は大きく増加している。

   漁業生産量(世界)  9478万トン(2000年)→  9426万トン(2017年)

   養殖業生産量(世界) 4301万トン(2000年)→1億1222万トン(2017年)

    ※『世界国勢図会2020/21』より

  キが2017年になる。

問3 ウェーバーの工業立地論

 「原料は製品の2倍に費用がかかる」ので、原料志向型の工業である。

 原料産地に工場を建設するのが、「総輸送費が最小」となる。

  総輸送費は、1単位当たり、①4万円 ②3万円 ③5万円 ④2万円となり、④の原料産地が答えとなる。

問4 工業立地

 アイスクリーム→冷凍輸送が必要なため、輸送費が多くかかる。

        →市場志向型工業→ス、L(関東に工場が多い)

 バター→保存期間が長く、原料より軽くなるので、製品より原料の輸送費が多くかかる。

    →原料志向型工業→サ、K(北海道に工場が多い)

 飲用牛乳→原料と製品の輸送費はほとんど変化しない→シ、J(工場数に地域別差がみられない)

問5 日系企業の海外への直接投資

 日本の製造業の海外進出パターン

  1970~80年代 アジアNIEsへ 韓国、台湾、ホンコン、シンガポール

  1980~90年代 アメリカで現地生産(貿易摩擦)

         ASEAN諸国へ タイ、マレーシア

  1990~2000年代 中国、その他ASEAN諸国へ フィリピン、インドネシア、ベトナム

  →タがアメリカ、チがASEAN、ツが中国となる。

問6 小売業の立地

 百貨店ほとんどは、都市の中心部に立地するので、Xが百貨店になる。

 小売業計で「店舗数」が最も少ない「ミ」が、ロードサイドと考える。

 ロードサイドが最も多いYが、大型総合スーパーで、残りのZがコンビニエンスストアになる。

第3問(都市と人口)

問1 都市の分布

 地図帳の最初の見開き「世界の国々」で、主な都市の分布を確認できる。

 ①が「ア」、②が「エ」、③が「イ」、④が「ウ」になる。

 海岸線や人が生活しにくい地域(砂漠や標高の高い高原、山脈)もヒントにして、考えること。

問2 年齢別人口割合

 先進国は、0~14歳人口の比率が低く、65歳以上人口の比率が高い。

 発展途上国は、0~14歳人口の比率が高く、65歳以上人口の比率が低い。

 中心都市は、0~14歳人口の比率が高く、65歳以上人口の比率が低い。

  「キ」がケニアで、日本に最も近い「ク」が韓国、残りの「カ」がオーストラリア。

  bのほうが、65歳以上人口の比率が低いので、人口第1位の都市になる。

問3 印僑

 ① イギリスの植民地だったインドの住民は、イギリスの植民地のプランテーション農園に労働者として移住した。そのため、インド系住民は「英語を公用語とする国やイギリスの植民地であった国」に多く分布する。→正しい

 ② 「観光業に従事するため」が誤り。

 ③ 「技術者」ではなく、建設労働者。

 ④ 「情報通信技術産業の衰退」が誤り。

問4 都市圏の人口増加の推移

 関西に住んでいると、東京の行政区の位置関係がよくわからない。

 Aが中央区、Bが練馬区、Cが多摩市である。

 1965~1970年に人口が減少する「シ」が、都心のA(中央区)である。

 1965~1970年に人口が急増する「ス」が、衛星都市のC(多摩市)である。

 残りの「サ」が、B(練馬区)になる。

問5 「空き家」問題

 「タ」は「別荘などの住宅」に居住者がいないので、観光都市のEと考える。

 「チ」は「賃貸用・売却用の住宅」に居住者がいないので、大都市圏のGと考える。

 「ツ」は「空き家」に居住者がいないので、高齢化・過疎化が進むFと考える。

問6 都市と交通

 バス専用レーンは、都心と郊外を結ぶ道路が一番最後なので、xは誤り。

 グラフから地下鉄路線が拡充しているので、yは正しい。

第4問(アメリカ)

問1 人口分布の重心

(1)アメリカの人口は東海岸から南部(サンベルト)に移動するので、重心は「イ」の方向に移動する。

(2)1970年代以降、北緯37度以南の「サンベルト」に北東部から企業や人口が移動した。

  →政府の企業誘致、賃金水準が低い、温暖な気候、先端技術産業→①

問2 水資源

 「カ」は、地下水と農業用水の割合が大きい。

   →オガララ帯水層が分布し、センターピボットによる灌漑農業が盛んなネブラスカ州

 「キ」は、生活用水の割合が大きく、農業用水の割合が小さい。

   →学術研究、ハイテク産業、金融業の中心となっているマサチューセッツ州

  残りの「ク」が、テキサス。

問3 気候と農業

 「サ」は、Cs気候なので、ワシントン州のXになる。

 「シ」は、Dfa気候なので、ミシガン州のYになる。

  ワシントン州は、小麦の生産が全米4位なので、Gがワシントン州になる。

問4 アメリカの人種民族構成

 「チ」は、アジア系の割合が大きいので、ワシントン州になり、「タ」がミシガン州になる。

 ①はヨーロッパ系の割合が大きく、③はアフリカ系の割合が大きいので、③が工業都市のデトロイト。

  ※ 1914~1950年まで、アフリカ系アメリカ人は、南部での人種差別の問題から逃げ、北部でより良い仕事と、より良い生活を求めるために移動し、デトロイトの自動車工場などで働いた。

問5 アメリカの社会

 マ 西海岸とメキシコ国境付近が高位→ヒスパニック、アジア系が多い→外国生まれの人口の割合

 ム 南部とメキシコ国境付近が高位→ヒスパニック、アフリカ系が多い→貧困水準以下の収入の人口割合

 残りの「ミ」が、持ち家率になる。 

問6 アメリカ大統領選挙

 図5から2012年、2016年とも西海岸と東海岸北部のニューイングランドで民主党が勝利していることがわかる。

  2016年の大統領選挙で共和党候補トランプは、資源の枯渇、海外の粗鋼、自動車工業などの追い上げで競争力が衰退した「スノーベルト(フロストベルト、ラストベルト)」で勝利した。→「工場の海外移転を抑制する」

第5問(宮津市の地域調査)

問1 統計地図の読図

 ① 「すべての市町村」ではない。→誤り

 ② 「すべての市町村」ではない。→誤り

 ③ 京都府南部の木津川市は、京都市への通勤率が3~10%で、人口が増加している。→正しい

 ④ 京都市への通勤率が3%未満で、人口が増加している市町村はない。→誤り

問2 地形図、古地図の読図

 ① 「魚屋町」があるので、「武家屋敷」ではなく「商人町」→誤り

 ② 体育館が立地しているところは、古地図では海である。→正しい

 ③ 古地図に「宮津駅から大手橋までの道」は見られない。→誤り

 ④ 「市役所を含む官公庁」は、本丸の跡地ではなく、大手側の西側に立地している。→誤り

問3 地理院地図の読図

 地理院地図の3D機能で確認しよう。

 「ツール」をクリックすると、メニューが表示されるので「3D」をクリックする。

 

 3D画像が表示される。

 

問4 丹後ちりめん

 日本海を通過する冬季の北西の季節風は、湿潤である。→カ「湿った」

 キ「安価」な輸入織物製品の影響で、生産が縮小したが、

 厳しい検査を経た製品にブランドマークを押印し、高品質な「丹後ちりめん」を保証し、海外へ進出しつつある。

  →ク「ブランド化」

 「THE SHILK」(丹後織物工業組合)を参照してください。

問5 聞き取り調査のまとめ

  宮津市には、「移住・定住者への支援制度」があり、空き家等の売買、賃貸等を希望する所有者等から申込のあった空き家等の登録と、宮津市内への定住等を希望される方の利用者登録をそれぞれ行い、利用者登録のあった方に対し登録された空き家等の紹介を行っている(空き家等情報バンクシステム)。

  ④ 移住者の増加の背景は、移住者の支援と街中の空き家の紹介などが背景にある。

     →「人口の郊外化」は大都市に見られる減少で、過疎の地方都市には見られない。→誤り

問6 外国人観光客の多様化

 図5から、2018年の外国人延べ宿泊者数は、東京都の次に大阪府が多いことがわかる。

 2013年に対する比は、東北や山陰などで高位になっている。

  →地方の「温泉や農村漁村を訪れて体験型の観光を楽しむ」外国人旅行者が増加したためである。

 

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