地理Bの部屋(村落の立地と機能)                                         No.2-5-1

 

<目次>

1.村落と都市   2.村落の立地   3.日本の村落の発展   4.村落の形態

1.村落と都市

 (イ)集落…地域社会とその住居などの集まり→村落と都市に分けられる

 (ロ)村落…農業、漁業など第1次産業を中心とする集落

 (ハ)都市…相対的に人口が多く、人口密度が高く、第1次産業人口がひじょうに少なく、匿名性が高い集落空間

     都(みやこ)…政治、文化、経済などの中心地

     市(いち)…ものを交換・売買する場所

2.村落の立地

 (イ)自然的条件

   ①水の乏しい地域

     a.砂漠…オアシス(湧水地)、外来河川

     b.扇状地…扇端

     c.洪積台地(段丘)…宙水、侵食谷(谷底平野の縁辺部)、低位段丘面

     d.火山地域…山麓の湧水帯

     e.カルスト台地…谷底平野

   ②低湿地

     a.沖積平野(氾濫原・三角州)…自然堤防

        ※輪中集落(水屋)…濃尾平野西部(木曽川、長良川、揖斐川合流地域)

       【参考】「輪中のくらし」(海津市立西江小学校

           http://www3.city.kaizu.lg.jp/~nishie-sho/waju/waju.html

     b.海岸平野…浜堤上

        ※納屋集落…九十九里浜→千葉県山武市(「地理院地図」)へ

   ③山地…日当たりの良い南斜面(北半球)→日向集落

   ④熱帯…高原集落(常春の気候)

 (ロ)社会的条件

   ①交通

    a.山麓(谷口)…山地と平野の結節点→谷口集落

    b.川岸、湖岸、海岸(渡津)…水上交通と道路交通の結節点

       →落合集落(河川の合流点)、渡津(渡頭)集落(渡し場)

   ②防備…高地、丘上、台地の先端

     ※後背地の広さ⇒都市への成長

3.日本の村落の発展

 (イ)古代

   ①条里集落…班田収授法にもとづく日本最古の計画的村落

     (特徴)直行する街路(碁盤目状の区画)、方形の集落・溜め池(654m四方)

         人工的な流路をもつ河川(直行・90度ターン)

         1集落(50戸)に1つの神社

       (例)奈良盆地→奈良県天理市(「地理院地図」)へ

          丹波地方(柏原付近)、湖東平野、讃岐平野など

 (ロ)中世…班田収授の崩壊→723三世一身の法、743墾田永年私財法

     →荘園集落の成立…貴族、寺社、地方豪族の私有地の拡大

      <地名>別所、京田、給田、荒屋、新荘、領家、地頭方、治(ハリ)

   ①名田百姓村…名主、有力者が地主となって成立

     <地名>五郎丸、太郎丸、次郎丸、貞利、福富

   ②寺百姓村…寺社領が起源の集落

     <地名>神戸(カンベ)

   ③豪族屋敷村…豪族屋敷を中心に一族郎党・農民集まって成立、外的防御のため、陵・台地・の末端などの要

             害地に立地、

      周囲を濠・堀・土塀などに取り囲まれている(環濠集落)

     <地名>堀の内、根古屋、寄居、箕輪(関東)

     <地名>館、要害、古館(東北)

     <地名>土居、山下(サンゲ)(中四国)

     <地名>館、栫(かこい)、構(かまえ)(九州)などの地名

   ④隠田集落…隔絶した山間僻地に、落ち武者や租税逃れ、逃亡者などが隠れ住む

      →世間と隔絶していたため古い習俗が残っている(稗・粟・蕎麦などの焼畑栽培)

     <地名>五木、椎葉、米良荘、五家荘、祖谷地方、十津川、白峰、檜枝岐、三面

          白川郷、五箇山(合掌作り:世界遺産)→岐阜県大野郡白川村鳩谷(「地理院地図」へ)

 (ハ)近世

   ①新田集落…政治の安定⇒人口の増加⇒耕地の拡大(新田の開発)

       →洪積台地、低湿地、浅い海の開拓、干拓

    a.官営新田…三富新田(川越藩)、開拓路村

    b.民営新田…鴻池新田、泉尾新田(大阪平野、大阪湾)(有明海)

   ②麓集落…薩摩・島津藩 島津藩は、外城と称して藩内約100ケ所に武士を集中的に住まわせ、武家である郷士

          の集落を作った。小さな城の役目を果たし、その集落は麓(ふもと)と呼ばれ、現在も県内各地にこの

          地名が残っている。

       ※出水市・高屋敷地区は、1995年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定

     【参考】「【入来】薩摩の麓集落」町並み紀行:まちづくり取材愛知淑徳大学 谷沢明研究室

 (ニ)近代

   ①屯田兵村…北海道の警備・開拓・士族授産(失業した士族(武士)に仕事を与える)

     (特徴)直交する街路(碁盤目状の街路)…合衆国のタウンシップ制度の導入

         「兵」のつく地名→北海道旭川市東旭川町上兵村(「地理院地図」)

         集村⇒兵の実力向上⇒散村

        ※タウンシップ…アメリカ合衆国で、土地の開発のため6マイル四方の街路を建設しそれを36区分し、

                  1セクションとする。この1セクションを4等分し、800m四方の土地を希望者に与え開発

                  にあたらせる.必然的に家屋が散在することになる。散村。

   ②開拓村(明治以降)…高冷地、台地、低湿地→牧ノ原、児島湾、八郎潟

      【参考】「八郎潟の干拓工事」大潟村百科事典

 

4.村落の形態

 (1)集村…民家が密集して村落を形成

   ①成立の要因

     a.水の制約・地形の制約…湧水地、自然堤防上

     b.共同作業・共同防衛

     c.計画的(藩・政権の政策)

   ②塊村…湧水などを中心に不規則な形にかたまった集落→条里集落、環濠集落

          →奈良県橿原市今井町(「地理院地図」)

     【参考】「環濠集落・今井町でタイムスリップを味わう」京阪奈ぶらり歴史散歩

   ③列村…民家が列状に並んだ集落

      →自然堤防、浜堤上、扇端、山麓の湧水線   ※道路は後からつくられた場合が多い

      →千葉県大網白里市四天木(「地理院地図」)

   ④路村…道路に沿って民家が線状に並んだ集落→開拓路村、林地村(ヨーロッパ)

      →埼玉県所沢市中富(「地理院地図」)

   ⑤街村…街道に沿て民家が密集した集落→市場町、宿場町

      →長野県南木曾町妻籠(「地理院地図」)

   ⑥円村(環村)(広場村)…広場や教会を囲んで民家が環状に並んだ集落

      →ドイツ、ポーランド(エルベ川以東・スラブ民族)に発達

       夜間、集落の中の広場に家畜を集めることができる

       広場はバザールの会場になったり、広場の一部に教会が建てられたりする。

 (2)散村…広い地域に民家が点々と散在している村落

   ①成立の要因

     a.水の制約が無い、どこでも水が得られる。

     b.共同作業・共同防御の必要性が小さい…治安の安定

     c.共同謀議をさせない(一揆の防止)

     d.延焼防止(強風地域)

     e.計画的(藩の政策)

   ②代表例  砺波平野、黒部川扇状地、出雲平野、大井川河口、讃岐平野、屯田兵村

          アメリカ(タウンシップ制)、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアの農牧地

      →富山県南砺市(「地理院地図」)

 

1.村落と都市   2.村落の立地   3.日本の村落の発展   4.村落の形態

 

<目次>

 

Copyright © AZETA Toyotoshi All Rights Reserved.